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むらPさんの応募作品である「水面に映るVSE」と「夕暮れ時の工場と蒸留塔」は、今回のレイアウトコンテストの応募作品の中では、Caldiaさんの「回転オルゴール」に次いでインパクトのあった作品です。
中でもこの「水面に映るVSE」は、少なくとも自分にとって、作者のイメージとのギャップという意味では「回転オルゴール」をも凌ぐ驚きです。
今まで、信じられないほど高密度に部品を組み合わせて作られたストラクチャを持ち味としてきたむらPさんのことですから、今回のレイアウトコンテストもお得意の複雑怪奇な情景スクリーンショットを携えて参戦されるのだろうと、自分は当然のように思っていたのです。
そのむらPさんが、よもや“情景そのもの”ではなく“地形テクスチャを使った一発ネタ”を主題に据えてこようとは!

語弊があるかもしれませんが、むらPさんのような方がいる限り、「レイアウトが締切までに完成できなかった」という理由だけでスクリーンショット部門に参加するようなネガティヴな意識では、決してこの部門を制することができません。
スクリーンショットにもとめられているのは、レイアウトの副産物などではなく、自分が製作したVRMの風景を「いかに魅せるか」であり、また「スクリーンショットでないと魅せられないこととは何か」を示すことです(ここでは言うまでもなく水面に映るVSEがそれに当たります)。
「水面に映るVSE」は、昨日レビューをした櫻隼さんの「夕闇の駅」と同様に、主役の引き立て方が大変に巧妙です。既にghostさんやjunichiさんが言及されているように背景の作り込みはさすがむらPさんと言うしかない出来栄えであり、だからこそ主題である水面がいっそう映えるのであります。
例えば注目したいのは、遠近感です。画面左に写り込む目前の松の木、線路の向こう側の神社のある小山、地形テクスチャだけの遠山、これらを折り重ねることで丁寧に遠近感が施されています。もちろんひとつひとつの要素には一片の手抜きもありません。
また、一見何を走らせても構わなさそうな画面を横切る列車も、背景のグリーンに埋もれることなく存在感を発揮できているのはVSEの白い車体ゆえです。readmeによれば「VSEをモデルにしたい」との思いがあったとのことですが、まさしく適役であったと思います。
実を言いますと、自分は、主題である水鏡が必ずしも表現として十分であったとは思いません。本当ならば、VSEや山の鏡像は水面を境界として線対称に写るはずですし、空を写した水面が真っ白に飛んでいるのも、実景ならばどうであろう、と思わないでもありません。
しかし、それを差し引いても、とゆーか、そんな些細なことは気にせずとも、卓越したアイディアとそれを完璧に演出する情景製作能力は、スクリーンショット部門賞にまさしく相応しい物であったと思います。



遠景の山は・・・、自分などはこれで十分な出来ではないかと思ってしまったんですが、なるほど言われてみれば、むらPさんにしてみれば惜しい箇所だったかもしれませんね。うーむ、深いっす。