2007年11月19日

レイコン2007 - 櫻隼さん「夕闇の駅」

banalay2007.PNG

↑レイアウトコンテスト2007の応募作品はこちらからダウンロードできます↑

 スクリーンショット部門は、昨日書いたように「魅せ方」が勝負の鍵となる部門です。そして、自分がレビューのために選ばせていただいた5作品は、色々な意味で「魅せ方」が興味深い作品ばかりです。
 中でも櫻隼さんの「夕闇の駅」は、作者の情景製作能力が、巧い「魅せ方」によって的確に画面に封じ込められています。

 やはり目が行くのは、画面奥の新座貨物ターミナルと、そこから本線に絡みつくように込み入った配線ではないでしょうか。

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 この貨物ターミナルのように労力を注いで作り上げた箇所は、そこを大きく構図に切り取ってアピールしてしまいがちです。しかし櫻隼さんは敢えて狭い画角で複雑な配線を強調し、さらに手前に新座駅を写し込んで貨物ターミナルと対比させることで、より画面を印象的に仕上げているのです。

 そして徐々に目が慣れて細部に視線を転じると、何気ない箇所にも工夫や気配りがなされていることがわかります。元々レイアウトとしての公開を念頭に置かれていたということもあってか、画面に写らないところまで丁寧に作りこまれていることは、ご自身によるこの記事を拝見してもわかります。

 情景表現として唯一惜しむ点があるとすれば、画面に人の気配がしないことです。自分もあまり人のことは言えないんですが、情景の“景”は申し分のない出来ながら、“情”がいささか弱いのが悔やまれます。

 また、「夕闇の駅」というタイトルに若干疑問符が付きます。夕日モードで撮影されたらしい画面は、“闇”という文字を彷彿とさせるには暗さが少し足りない気がします。細かいことですが、タイトルは何よりも先に目に入る事柄です。タイトルと作品の印象に悪い意味でのズレがあるのはなるべく避けたいことです。

 とはいえ、構図の選定から言えば「夕闇の駅」は今回のスクリーンショット部門で最も優れています。
 画角もフレーミングも申し分ありません。画面中央付近で斜めに交差する武蔵野線と国道が構図に安定感を与え、そこに列車の鮮やかなオレンジやブルーが確実に彩りを添えているのです。

 夕暮れの中、今は首都圏からいなくなった103系がホームを去る様子や、ヘッドマークを掲げたEF65 500は、古い車両の引退を名残惜しんでやまない鉄道ファンの感情を暗示するようでもあります。

 実景再現でありながらそれに留まらない、櫻隼さんならではの作品です。


posted by 45-50s at 22:39| Comment(0) | TrackBack(1) | VRM雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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櫻隼氏とUSO800鉄道氏のSSについて
Excerpt: コンテストのスクリーンショット部門で気になった作品を幾つかレビューしてますが今回は、櫻隼氏とUSO800鉄道氏のお二人です。 なにせ、この部門には怪物が降りますので大変厳しい戦いを強いられているお二..
Weblog: JUNのひとり言
Tracked: 2007-11-20 16:45
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