コントラストについては啓明さんがこんな指摘をしています。
>思うに、VRM4って、影が付かない、日の当たる面と陰のコントラストがはっきりしない、など、この高曇りの状態だと言えそうです。
(kNRニュース「高曇り」より、下線筆者)
自分も同感です。画面全体のコントラストではなく、部品ごとの面による明暗の差が淡い気がします。そこで、実景写真とVRM4スクリーンショットにおける影のつきかたの様子を比較してみました。
以下の画像のそれぞれについて、日向面(日が当たっている面)と日陰面(日が当たっていない面)の明度を調べます。その値をもとに、各面の明度の差がどれくらいかをもとめます。
<左:昼間モード、右:曇りモード>
VRM4ビュワー上の画像です。103系側面が日向面で、前面が日陰面です。
見たところ曇りモードは明度の差がほとんどないことがわかります。昼間モードも晴天にしては明暗が淡い印象を受けますね。受けませんかそうですか。
<左:晴れ、中:薄曇り、右:曇り>
実景です。今までに撮った中から実験に都合良さそうなのを選びました。
左は晴天時の写真です。EF64の青い車体、クリーム色の警戒帯、灰色の排障器の明度を計りました。真ん中は薄曇りの時の写真で、781系の白っぽい車体の明度を計測。右が曇天時で、DE10の赤い車体と白帯の明度を計りました。
先に言ってしまうと、実景といっても所詮写真ですから、画質なんて撮影機材によって全然変わってくるはずですよね。ですから、この記事における「実景に近い/遠い」という表現は、あくまで「ウチのD50で撮影した写真イメージに近い/遠い」と同義だと思ってください。それでも一定の目安にはなると思います。
<実験結果>
明度の値は、各面上のいくつかの点の明度を調べ、そのうち一番明るい点と一番暗い点の平均値です。そのため小数になってます。
で、例えば一番上のVRM4昼間モードでは、日向面の明るさは日陰面の明るさの142.5%となっています。つまり日向面のほうが約1.4倍明るいということです。
昼間モードを実写と比較すると、薄曇り(約1.7倍)よりも明度の差が小さいことがわかります。しかし実写晴れは計測箇所によって明度の差がバラバラですねぇ・・・なんでだろ?(ぉ
同様にVRM4曇りモードも見てみると、こちらは実写の曇りとだいたい同じ、っつーかどちらも明度の差はほとんど皆無ですね。
というわけで、VRM4ビュワーの日向面と日陰面の明度の差は、少なくともウチのD50が写した写真よりはかなり弱いようです。
VRM4ビュワーは彩度が高い気がする、と書きましたが、明度の差が小さいことも、彩度を相対的に高く見せている原因のひとつかもしれません。
PSPのゲームなんかでもそうですが、彩度が低いグラフィックってリアルに見えてしまうんですねぇ。。
VRM4はリアルなのにそういうところで綺麗さを落としているのかもと思いました。