今回はいつもの面々に加えて、自分がかつてVRなんとかに入れ込んでいた際に大変お世話になり、勝手に恩師とみなしている、ghostさんにもはるばる大阪からお訪ねいただきました。
<手書き感>
当日は予報に反してうららかな好天に恵まれ、1名が急に自宅からはるばる自転車で乗りつけて現れたり、1名がC58が来る5分前に密かに熟睡したりと、大変に奇怪な様相となりました。これが春の陽気というやつなのでしょう(違う)。
<花にピントを合わせたカットもあったけどこっちが好き>
ところでghostさんはお会いしてみると大変明朗な方で、この快活な人格のどこからあの、ブログで垣間見られる、時に内省的な深い思索が生じてくるのだろうか、と思わずにいられませんでした。
率直に言うと、自分はghostさんはどちらかというと物静かな方だろうと勝手に想像していたのであります。それは良い意味で裏切られました。
ひとたび口を開けばブログのあの文章そのままに、日本人の悪癖である、半分だけ口にして残りは相手に言わせる・忖度させることを前提にした話し方も無く、なめらかかつ理路整然とSEKKYOUが流れ出てくるのであります。
<C58363>
我々4名が筋金入りの鉄ヲタであり、特に自分などは昨今悪名高き撮り鉄であるその一方で、ghostさんは今回の面々におけるいわば唯一の良心、常識人、客観者でありました。
現に、我々が鉄くさい薀蓄を披露するたびに、それはすごいなあとしきりに関心されつつ、自分は君たちとは厳然と異なる人間であって、決して鉄道マニアではないと毎回強く主張されていたのであります。
もちろんその通りで、ghostさんは常に、すぐ列車に夢中になる我々の背後から温かく見守ってくださいました。
<ghostさん>
あれ?まあいいや。
そんなこんなで1日目はデキと桜を満喫し、翌日もmokoさん、AKAGIさんと共に鉄道博物館にてghostさんとご一緒させていただきました。
ここではAKAGIさんの後頭部を30分ほど撮影し続けるという幸甚に浴した次第でありますが、自分に至ってはこの日そればかり20枚ほど撮影して展示物の写真が1枚も無いというのは、これも春の陽気のなせるわざでしょうか。
<背後からのプレッシャーに耐えかねるAKAGI氏>
館内では各エリアを巡りつつ、以前はやぶささんをお迎えした時と同じように0系車内に陣取り、ghostさんの有難い説法を賜りました。
その具体的な内容をここで書いてしまうのはあまりに惜しいので、将来スピリチュアル商材として大いに売り出すためにもここは固く我が心に秘匿しておく次第ですが、そんな中で、とりわけghostさんが活動を休止してからのVRMのディクライン、あるいはmokoさんが今に至るまで強力にコミットしてきたTrain Banners(TB)の将来、といったことに絡めて、コンテンツのプロデュースのありかたについての話題が登りました。
いま挙げた両者については、かたやコンテンツ固有の価値がそれを取り巻くコミュニティの変質についていけなかった事例(VRM)、もう一つは見せ方ひとつで大きく変わる価値を秘めているかもしれないにも関わらず未だに脚光が不足している事例(TB)、といった違いがあるわけですが、コンテンツの性質とプロデュースのミスマッチが生じているという意味では似ています。
この話題の中で、自分がいわゆるガチャを引き合いに出して、ガチャ界隈の中の人たちによる、大衆の心の掴み方を知ることができれば、先行事例として参考になるかもしれない、と言ったのに対して、ghostさんがあれほど成熟した市場に今から同じ方法論で参入する奴はバカである、と応じたと記憶しています。
そのこと自体は全く同意で特に反論もないのですが、あのとき自分の言葉が足りてなかったのがやや心残りなので、少しだけ補記したいと思います。
<「僕が引っ張ってあげよう」「じゃあ僕は後ろから押してあげよう」>
ガチャの話を持ち出したのは、これの方法論を可視化してそっくり頂けば良い、ということそのものではなく、その方法論には一般に応用可能なことがらが含まれているか、いるならばそれは抽出可能か、というようなことに関心がありました。
ガチャの中の人たちが、一見掴み所のないマスな心の動きのトレンドをあれほどうまくつかんで(もしくは誘導して)成果を引き出すまでには如何ような計算があったのでしょうか。あるいは計算ではなく偶然の産物だったのか、はたまた意図的だったとしても類似の下手な鉄砲の一つがたまたまヒットしただけなのか。
人間にフォーカスして言い換えれば、ガチャの中の人たちは悪どいが頭は最高にキレる人たちなのか、それとも単なる山師の集まりなのか、という野次馬でもあります。
ここではたまたまガチャをあげつらうような形になりましたが、ガチャに限る必要はないです。
<共同作業>
例えばウォークマンが流行り、その後凋落した背景にも、ガチャの流行り廃りにも、個別の事情や文脈を捨象してもなお残る、普遍的なメソッドが影響しているのではないでしょうか。
そう思うのは、どちらの事例にも顛末として共通している部分があるからです。つまり、発信主体という小集団(ソニーとかグリーとかの中の人)が、自分たちには想像もつかない思考回路を持った大集団(ここは消費者、お客様、大衆、バカども、金づる、など毀誉褒貶様々な呼び方に置き換えうるが、そこはこの際なんでも良い)を相手に少しだけ新しい価値観の提起を持ちかけ、受け容れられることに成功し、それからゆるやかにどうしようもなく飽きられていく、というストーリーです。
自分はこのような成功と凋落のセットを抗いようのない自然現象だとは思いません。
自らには想像が及ばない人たちをターゲットにして人気を得るというのは、いうまでもなく大変な才覚だと思うのですね。そうやって成功した事例にはきっと通底する何らかのメソッドが見出せるはずです。
同じように、それがディクラインに転じるのも、上位互換のライバルが現れたとか消費者が気まぐれだからみたいな単純な説明(大変な才覚の持ち主たちがこの程度の事でコケてしまうものでしょうか?)とは別に、何かしら主体側の致命的な未知の失敗が絡んでいるのだろうと思います。
一連の成功や失敗に通底するいくつかのメソッドを見出すことがもしできれば、それは、ウォークマンほどの大風呂敷は広げずとも、必ずしも利潤を求めないケースでもきっと応用できるものだと思うのです。
まあこんなことは商売っ気の多い人たちには100万回は語り尽くされているのでしょうけども、この話題はもうちょっと展開できそうな気がしていたのでここに書きつけておこうと思います。
<おわり>
他にもお聞きしたいことはまだまだあったのですが、如何せん口下手(要は自分自身の地頭の悪さに対する一種の適応の結果)でどうも自分の中でうまくまとまらず、話題に持って行くことができませんでした。それはまたの機会にさせていただこうと思います。
最後に皆さんにお礼の言葉を。
moko君、行程から何からお任せしてしまってごめん。これからも色々遊びに行きましょう。
ゆきもよ君、いつもながらVRM界隈における人間関係のハブになってくれてありがとう。君がいなかったら未来永劫このような機会は得られていないでしょう。
AKAGI君、話していて奥底にいつも感じられる君の向上心は時間ばかり浪費してちょっとばかりグニョグニョになりつつあった自分の心に久々に新鮮な空気を送ってくれた気がします。
ghostさん、あなたは間違いなく鉄道マニアです。本当にありがとうございました。
なんだかC58だけ時代が違うwwモノクロとは巧いですなぁ。
最後の写真は桜のピンク色が重厚で好いですね〜。自分のみたいに青くしちゃってたら奇はてらえるかもだけど、画のキレイさではこっちの方が断然良いような気がします。
>>この日そればかり20枚ほど
AKAGI君には申し訳なかったけど、後ろの我々悪魔な連中はかなり愉しませてもらっちゃいましたね。
そんな中でもピッタリに停めてみせたり、おフザケすることもなく真面目にPlayできる彼の精神力の強さも凄いなーなんて。
他の写真がないのは、自分も含めて撮影に興じる時間よりも違う何かを大事に思ったから、なのではないかなーと思いますぞ。(なんつって。汗;
またどこか行きましょう〜。(´∀`*)
モノクロは安直かなとも思ったんですけど、そういってもらえるとちょっと嬉しいです。
まあ元絵がすでに曇り空+SLでほとんどモノクロ状態だったんですけどねw
AKAGI君はあの若さですごいもんです。それはもう後ろできゃいきゃいやってた我々の方が恥ずかしくなっちゃうくらい。
次は夏ですなー。