(1) 「ネタ」にはユーザーが多く、「タネ」にはユーザーが少ない。
(2) 「タネ」は同じ領域の「ネタ」に向かう矢印しか持たない。
(3) ある領域の「ネタ」は、図でより下側の領域の「ネタ」のタネになりうる。
(4) 最も受け取る矢印の数が多いのは「マクロ−ネタ」である。
(1)は既にghostさんが指摘しています。注目を浴びやすい「ネタ」には多くのユーザーが好んで進出しますし、ある意味で縁の下の力持ちのような「タネ」は「ネタ」ほどの人気がありません。
このことは(2)(3)で読み取った図での矢印の様子からもわかります。
「タネ」から伸びる矢印はどれも同領域の「ネタ」へと向かう一本しかありませんが、「ネタ」は「タネ」だけでなく他の領域の「ネタ」ともよく結びついています。
また(4)から、最も「タネ」を補給しやすいのは(少なくとも理論上は)「マクロ−ネタ」領域だということがわかります。
このように矢印の数や向きから勘案するに、図で言うところの右上の領域ほど“縁の下の力持ち”的であり、左下ほど“花を咲かせる人”的であるといえます(「メタ」領域はさておき)。
<領域の性格傾向>
「タネ」は本来的に地味な性格なので、実際には矢印はやや「ネタ」寄りに湾曲します。
「ナノ−タネ」領域は最も“地味”ということになり、ここが未だ空白地帯であることも納得できますし、逆に“派手”な「マクロ−ネタ」「ミクロ−ネタ」領域には古参ユーザーと新参ユーザーがそれぞれ軒を連ねています。
「マクロ−ネタ」領域に古参のユーザーが集まるのには、図からは見えない理由もあるでしょう。今以上にネットVRMユーザーが少なく、かつweblogも普及していなかった頃には、「マクロ−ネタ」以外の領域を担う利益も余裕も無かったと思われます。
>weblogが一般化する以前は、マクロ−ネタを手がけないと、それを公にする(webページを書く)手間に見合わなかったんじゃないか、ゆえに、マクロ−ネタを扱えない人はネットVRM界隈デビューしにくいか、しても長続きしなかったのではないか
(VRM入道「レイアウトコンテスト2006総括(その4)」コメント欄より)
逆に言うと新参ユーザーは、「マクロ−ネタ」領域より小さいエネルギーでネタをつくれる「ミクロ−ネタ」領域において、機関銃のようにネタを連射している、と見ることもできます。ミクロネタはマクロネタより一個あたりの注目効果に劣るので数でカバーしているのでしょうか。いや、自分もその一人ですけど。
ところで「タネ」に着目すると、比較的ユーザーが多いのは「ミクロ−タネ」領域です。これは、現在最も相互交流があるのが「ミクロ」領域であることと、ミクロネタが連射されていることが主な理由でしょう。
「ミクロ」領域には新参のweblogユーザーが多く、他の領域と比較すると交流が活発といえるでしょう。すると結果的に「タネ」にも脚光が浴びせられる機会が増えます。しかもミクロネタは活発にどんどん放出されていますから、タネの需要も当然増すわけです。
「ネタ」と「タネ」は、どちらかが欠けるともう一方も長続きしません。便宜上「派手」「地味」と評価しましたが、これは何も良し悪しではありません。
質の高い「ネタ」を提供する人は大きな賞賛を受けるでしょうし、質の高い「タネ」を提供する人は大きな感謝を受けるでしょう。
そして「タネ」が比較的活発な「ミクロ」領域の状況から鑑みるに、「タネ」に人を呼び込むには、ユーザーがお互いに評価し利用しあうことがうまい方法のようです。
ですから、あのレイアウトはここが面白かったとか、この製作ガイドを参考にこんなものをつくったとか、そういう感想やレポートを気軽に公開しませう。相手にとても喜ばれるでしょうし、長い目で見ればネットVRM界隈全体が潤うはずです。
はてなブックマークも図らずもそういう相互評価の普及の一助になるかもしれません。単なる挨拶回りツールやネガティヴコメントツールに堕しなければ、の話ですが。